鞆港の中央部の凹んだ場所にひっそりと建つ通称「茶屋蔵」
茶屋蔵という愛称の由来は、元々この一角が福山藩の迎賓施設である「御茶屋」があり、当初はこの蔵が御茶屋の遺構の一部だと思われていた為です。
お茶屋の建て物は現存する絵図などから入母屋造りの桧皮葺の屋根であった可能性が高く、現在のこの建物は御茶屋が取り壊された後に建てられたもので幕末から明治初期のものと推定され、福山藩の施設の遺構ではないことが確定的ですが、松の巨木の梁の上に立つ小屋束と、四方に走る貫が複雑な形をかもし出して見るものを圧倒します。
※ちなみにこの蔵の南側から見える鬼瓦が阿部家の鷹の羽紋のようなので、福山藩の御用蔵だと観光ガイドの方が説明されていますが、この鬼瓦は完全な後付けで、御用蔵ではありません。
鞆・町並ひな祭の期間中は開館の予定だったのですが、留守番役がいなくほとんど開けられませんでした。
その為、先日の土日は時間限定で私が留守番をしました。
豪快な蔵の構造を見るのもいいですが、蔵から外を眺めるのもまた格別です。
蔵の内部にはひな人形の他に、昭和30年代前半の映画のポスターがたくさん飾られていて、訪れる人を楽しませてくれます。
またこの建物の修復費用の一部に充てる為に、1枚10円の陶器市もやっています。
ちなみにこの陶器は、かつての対山館のものを譲り受けて販売しています。
中にはこんな珍品も!!!
今はなき石井酒造の「高鞆」の銘の入った1合徳利です。
酒を納めていた対山館に納めたものだと思われます。
会期末のこの週末は時間限定で開館の予定だそうなので、コテコテの鞆マニアの方はこの機会にぜひ!!
また館内には昭和30年初期の映画のポスターもたくさん展示しますよ~